今まで・・・勘違いしていた(汗)OJT 匠の技

2008年08月26日

宇津木妙子元全日本監督

オリンピックも終わり、今テレビではオリンピックの名場面集を多くやっています。
中には、名実況アナウンスや名(迷)解説者の言葉などの特集までありますネ。

それを楽しく見させていただいていますが・・・、やはり今回のオリンピックで心に残った名解説者は、優勝のときに感極まって号泣する、宇津木妙子元全日本監督の解説です。こちらももらい泣きしそうなほど感動しました。

そこで思い出したのが、2年ほど前にメルマガで送られてきた、大阪の元信用金庫常務の中川さんのお話です。

少し長くなりますが、中小企業経営者にとってはとても参考になる話ですので紹介します。

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私の小中高校の同窓生にMという男がいる。彼は美大を出て美術の先生になり、卒業後外務省の嘱託として三年間インドの日本人学校で美術を教えてきた。彼はその地でアメリカの軍人さんを中心として盛んだったソフトボールを教わり、3年目には、年一回インドで行なわれるアマチュアのソフトボールのオールスター戦に出場してきた名選手である。

彼は帰国して地元の中学校に美術の先生として赴任し、同時に女子ソフトボール部を創設し、生涯に片手の指を超える回数日本一になった名監督でもある。当時私は支店長として苦悩の中にあった。どうすれば生き生きと人は動くのだろうか? 成果を上げられる職場をつくれるだろうかと悩んでいた。そして彼を訪ねたのであった。「中学の女子だったら、公立でもあるし入部時には満足にキャッチボールも出来ない人が多いんやろ。それを三年間で日本一にするのにどうしたらいいんや」すると彼はこう答えた。

「それはそんなに難しいことではない。長所を見つけて誉めることと、ダメなときは叱ることをしっかり出来たら、人はみんな伸びるもんや」そしてこんな話をしたのである。教育の仕方には大きく分けて二つある。一つは短所を指摘してそれを補完し、その人を伸ばす方法と、長所を認めそれを誉め、自信を確信にしてしまい、短所を補完しなければならないという自助努力が始まり、その人を伸ばす方法である。しかしこれ、二つとも正しいんや。お前はどっちの方法とって貰ったらやる気が出る?

「俺はやっぱり誉めてもらったほうがやる気になる」そう答えた私に対し、彼はこう言った。「そうやろ。部下や下の者はその8割がそう思っているンや。上司や先輩から認めてもらいたい。いいところを誉めてもらいたい。そう思っているのに、その本人が上司になると、その8割が部下のいいところが見えなくなり、短所ばかりを指摘してしまっている。この大きなギャップがあるから、会社でも学校でも劇的に化けるように成長する人が出てこないんや。これはわが国の文化にもなっている」(それよく分かる)と私は思った。

第一この俺がそうや。下の時は上司から先輩からどう見られているかと気になり、認めてもらいたいとこいねがっていたのに、自分が上の立場になると、部下を怒鳴ってばかりいる。そしてもっと出来る人間を送ってきてくれと人事に文句を言っている。

「それはよく分かった。では具体的にはどう指導するンや」と更にきいてみた。例えば・・と彼は切り出した。ショートの選手を鍛えようとする。人間は生まれつき右に強い人と、左に強い人がある。彼女がもし左に強いとするならば、短所を指摘してそれを補い成長させるという教育論の持ち主は、不得手な右側、すなわち三遊間側に強い球をノックし続ける。不得手なところへ強い球がくるのだから、当然はじいたり逃がしたりする。その時、間髪入れずこう言う。「下手くそっ・・」また強い球を打つ。また逃がす。「しっかりせぇ。代わりはあるんや」彼女は一層自信を失っていく。

「しかしなぁ。俺はそんな手法は取らんぞ」と彼は言った。俺は得意としている二・遊間側に強い球を数多く打ち続ける。自信があるし得意だから、強い球でも取れないまでも叩き落とすことが出来る。そんな時間髪入れずこう言う。「惜しいっ」「もう一歩」「もう一寸っ」たまにはスパッと救い上げることがある。「上手いっ」特に大きな声でそういう。その選手は自信を深めていく。次に不得手の三遊間側に少し弱い球を打つ。それでもポロッと逃がす。俺はこう言う。「もう一歩」「上達してきたっ」と・・。

私はしばらく言葉がなかった。ややあってこう聞いた。「分かった。しかし試合に勝たなければならん。その選手をどう使うんや」「そこや。実践では不得手の三遊間側に一歩寄って守らせる」「・・・・」さすが7回も全国制覇している監督の言うことは違う。「まぁ。一回練習を見に来いよ」誘われて練習を見に行った。

さすがに強いチームは違う。観衆が鈴なりである。みんな固唾を呑んで選手や監督の一挙手一投足を睨みつけるようにしてみている。私が行った時、彼はサードの選手を鍛えていた。プロテクターとレガーズをつけさせて、5メートルほどの距離から猛烈な強いノックを雨あられのようにしていた。まともに掴む球はほとんどなし。身体で当てて前に落とすか、はじいてしまう球ばかり。その一つ一つに彼は厳しいそして優しい言葉を添えていた。「そうや。もう一歩や」「上手い。そうや」

ノックが終わって私は質問した。「あんな強い球は試合中に飛んでくるのか?」と・・。彼はこう言った。「中学の女子ソフトの場合、引っ張る力が弱いから、一試合でサードに飛ぶ球は、多くて三球。時には飛んでこない時もある。しかし何かの拍子に予想も出来ない強い球が飛んでくることがある。そんな時、強い球を受ける訓練をしていると、取れないまでも身体に当てて前に落とし、拾って矢のような送球をして一塁でアウトにすることが出来る可能性がある。その時のために常日頃からああして強い球を受ける訓練をしているんや」「・・・・」私は感心と得心を一緒にした。

ノックの仕上げに外野に軽い平凡なフライを打ち上げた。レフトの選手は難なく取ってホームへ投げ返すと同時にベンチに向かって全速力で帰ってくる。次はセンターである。軽く上ったフライをセンターはポロッと逃がした。彼の持論からすると逃がしたときは「惜しいっ」と言うのではなかったのか。なのに彼は鬼のような顔になり、「来いっ」と怒鳴った。センターの選手は全速力で監督のもとに駆け戻り、「すみませんっ」と言うとサッと帽子を脱いだ。「ばか者っ」彼は言うなりバシッと横面を張り倒した。「イケッ」「ありがとうございました」言うなり選手はもうセンターのポジションに向かって駆け始めていた。

練習が終わった後、職員室で彼に聞いた。「殴ったらアカンのとちがウンか/?」「第一、球を逃がしたときは、惜しいっと言うのと違うかったんか?」彼は平然と答えた。「厳しい強い球をノックした時は、逃がしたら、惜しいっというのは当たり前や。しかしあのセンターへのノックは気を引き締めていたら誰にでも捕れる球や。気が抜けているから逃がすんや。もし7回裏でツーアウト味方が一点リード。ランナー二三塁としょうか。ワシは一球一球ベンチからピッチャーとキャッチャーに投げる球をサインで指示している。サイン通りに投げ込んだインコース低めの球に詰まって、ふらふらとセンターに上り、勝ったと皆が思ったとき、もしもポロッと落としたとしょうか。二三塁のランナーがホームに帰って逆転サヨナラ負けになる。そうやから、練習から気を抜いて逃がしたら殴らな分からんのや」「う〜ん・・・」気を取り直して尚も聞いた。

「確かにそう言われればそうやな。しかし生徒を殴ったらクビニなるで。第一見学している父兄が黙ってないと思うで・・」「俺はなぁ。愛情の範囲内でしか怒らないんや。今の世の中、誰も心を込めて叱ってくれない。父兄だって納得してくれると思うで・」それはどうかは分からないが、愛情を込めて叱ってみせる彼の態度に、胸が熱くなる思いがした。殴ることの賛否は、無責任ながら、我存知せざるなりであるが、そんなにも熱く選手を成長させようとする同級生を持ったことに誇りを感じていた。そしてリーダーの在り方を心に刻んでいたのであった。

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この当時、宇津木監督は、愛知代表の監督をされていたようです。

このような名監督の指導の下、ソフトボールが育ち、金メダルを取るまでになったのですね!

「人を育てる」
中小企業家も名監督でなければなりません!

よい現場は最高のセールスマンの山田製作所ホームページ



yama1117 at 21:20│Comments(0)いいお話し 

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